Q.1 「事業承継」とは?

→ 「事業承継」とは、人で言うならば「相続」に当たります。
会社の経営者が変わり、会社経営が新しい経営者に引き継がれてゆくことをいいます。


Q.2 「事業承継」の問題とは何ですか?現経営者が死亡すれば、子どもが跡を継ぐので問題はないのではないですか?

 → 「跡継ぎ」(後継者)との意思疎通はできていますか?誰が後継者となるかについて、社内あるいは親族内の合意はできていますか?(できていなければ、現経営者死亡後に揉める原因になります)


Q.3 後継者との意思疎通とは具体的にどのようなことですか?

→ まず、会社を継ぐかどうかということ、継ぐ場合には、どのように継ぐのか、ということです。
経営方針についての意思疎通はできていますか?
大切にすべき従業員、取引先などの共通理解は得られていますか?
その他、相続の場合に発生する問題への対策はとられていますか?


Q.4 私には息子が二人いますが、二人とも仲が良いので私が死んだあとは二人で相談してやってくれるので問題はないと思います。その場合にも対策が必要ですか?

→ 必要です。
仲が良くても、経営方針について常に意見が一致するとは限りません。意見が一致しなければ株主総会で決を採らなければなりません。その場合、原則として株式の過半数で決を採ることになりますが、50対50では決まりません。また、仮に現経営者の妻が10%の株式を保有していた場合、息子二人は、45%ずつの株式を有することになりますので、妻がどの立場を採るかによって決議の内容が変わることになります(妻と意見が一致したほうが55%)。
仮に現経営者が「社長は長男に」と考えていた場合でも、妻が次男の側につけば、長男は45%株式しか保有していないため、決議では負けてしまうことになります。
現経営者は、後継者を決めること、後継者が経営権を支配できるように株式を集中させるとが必須です。


Q.5 「事業承継」にはどのようなパターンがありますか?

→ 事業承継には、大きく分けて
A 現経営者の事業を子や親族が引き継ぐ「親族内承継」
B 社内の者が引き継ぐ「社内型承継」
C 第三者が経営を承継する「第三者型承継」 
があります。
まず、貴社にどのパターンが適しているかを検討してください。


Q.6 事業を誰に承継させたらいいか分らないのですが、どうしたら良いですか?

→ まず、その事業に承継させるべき価値があるのか否かを検討します。
承継させるべき価値があるのであれば、次に、親族内承継が可能か、親族内承継が困難な場合(承継する人間がいない場合)には、社内で承継する人がいないか検討します。社内でも承継する人間がいない場合には社外の第三者に売却することができないかどうかを検討します。
まず、貴社の長所(企業価値)を探してください。あなたの会社の長所はなんですか?


Q.7 業承継に伴って発生する問題にはどのような問題がありますか?

→ 事業承継にあたっては、誰に承継させるか(親族か、社内か、第三者か)という問題がまず最初にあり、誰に承継させるのかによって問題は細分化していきます。誰に承継させるのかを考えたうえで、各Qをご参照ください。


Q.8 親族に承継させる場合(「親族内承継」)に問題となることは何ですか?

→ 相続の問題がまずあります。また、相続税の問題があります。


Q.9 親族内承継の場合の相続の問題とはどのようなものですか?

→ 貴社の株式(有限会社であれば持分)の保有割合はどのようになっていますか?
事業を後継者に承継させる場合、経営権を承継させるという意味で、株式(持分)の承継をどのように行うかが非常に重要になります。
例えば、現経営者が株式を70%保有し、現経営者の妻が株式の30%を保有している会社において、現経営者に子息が3人おり、現経営者の株式の70%を子息に法定相続割合で相続させた場合、現経営者の妻が最大の株主となり、子息はひとりあたり26.7%の株式を保有することになります。


Q.10 親族内承継の場合の相続税の問題とはどういうことでしょうか

→ 現経営者の株式を後継者である親族に承継させる場合